腸内フローラって何?
最近、テレビなどで『腸内フローラ』という言葉を耳にしませんか? NHKや民放の番組で取り上げられており、注目を集めている言葉です。
がん、糖尿病、肥満、アレルギー、肌のしわ、うつ病などとの関係や、さらには性格まで左右している可能性があることがわかってきており、『腸内フローラ』を治療に活かす臨床研究も始まってきています。
ヒトの腸内には、たくさんの細菌が棲みついており、それらは、100種類以上、100兆個以上と言われています。特に小腸の終わりから大腸にかけて、様々な腸内細菌がグループごとにまとまって、腸の壁で生息しています。それらが腸の中で広がって「お花畑(flora)」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。
腸内細菌の種類は、人それぞれであり、食事や生活習慣、人種、年齢、ストレスなどにより変化するため、『腸内フローラ』も人それぞれ異なります。
腸内細菌の種類は?理想的な環境はどんな状態?
- 善玉菌・・・・・・体によい働きをする お腹の調子を整える
- 悪玉菌・・・・・・体に悪い働きをする 増えると便秘や下痢などお腹の調子を悪くする
- 日和見菌・・・・・どちらにも属さない、その時の優勢な方に味方をする
⇒バランスが崩れると…
何らかの原因で悪玉菌が増えると、便秘や下痢などお腹の調子を悪くするだけでなく、有害物質が腸から吸収されて、生活習慣病や肌荒れ、肩こり、老化などにも関係すると言われています。
いつも腸内環境を正常にしておくと健康維持できるというわけです。
バランスが崩れた場合は、整腸剤を服用するというのもよいでしょう。
つまり、日和見菌を味方につけ善玉菌がたくさんいる『腸内フローラ』 にすることが大切です。
腸内環境を整えるのに良いと言われている食品
- 食物繊維
日本人は食物繊維の1日の摂取目標は17~20g以上となっていますが、摂取不足が問題となっています。バクテロイデスという菌は、食物繊維をエサにして「短鎖脂肪酸」という物質を出し、血液によって全身に運ばれ、脂肪の蓄積を抑え、脂肪の消費を増やしてくれるため、肥満を防ぎ、インスリンの分泌量も増やしてくれます。
- オメガ3系脂肪酸
オリーブ油、亜麻仁油、えごま油なども体によいといわれているため、使っている方もいらっしゃると思います。(テレビ番組で話題となり一時品薄状態にもなりました。)このような植物性油脂や、いわし、さば、サーモンなどに含まれるEPAやDHAのオメガ3系脂肪酸は良質な油と言われ、腸の動きを滑らかにしてくれるようです。その他にも海藻、クルミ、ココナッツオイルなどにも含まれています。
オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の理想的な比率は1:4とされていますが、現代の食生活ではオメガ6系脂肪酸の過剰摂取となっているため、積極的にオメガ3系脂肪酸を摂取するようにしたいものです。
- 発酵食品
納豆やキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品は栄養があり、乳酸菌などの善玉菌を取り込むことができます。ヨーグルトなどはいつも同じものを食べるのではなく、いろいろな種類の菌のヨーグルトを食べるとよいと言われています。
ただし、腸内環境に良いからといって上記のものばかりを食べていればよいとも限りませんし、いろいろな整腸剤を服用するというのも胃に負担がかかることもあるため、あまりお勧めできません。
一般的に日本人の1日の摂取品目数は30品目であり、バランスよく食事を摂ることがとても重要なことです。
腸内環境のバランスは食生活や生活習慣で乱れてくるため、ストレスを溜めないこと、食べるものにも気を遣い、きれいな腸内フローラを育てましょう。