食後高血糖をおさえるコツ ~食事編~
「食後高血糖はなぜよくないのか」と「食後高血糖を改善するコツ」について食事療法を中心にお話しました。
食後高血糖とは、食後2時間の血糖値が140mg/dl以上をさします。食後高血糖を長期間放置すると、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病網膜症やがんの発症リスクを高める、高齢者の認知機能に悪影響をおよぼすなど様々な病気をひきおこし、進展させる可能性が高いといわれます。また、糖尿病と診断されていなくても、食後高血糖の人は多く存在すると考えられています。
食後高血糖を改善するには、主に下記の内容を実践することが効果的です。
さて、そのためのひとつとして、認知症にならないための努力も重要なことであります。
①「1日3食、栄養バランスよくとる」
栄養バランスのよい食事とは、主食(ご飯、パンなど糖質を多く含む食品)、主菜(肉、魚介、卵、大豆、大豆製品など良質のたんぱく質を多く含む食品)、副菜(野菜、きのこ、海藻などビタミン、ミネラルを多く含む食品)がそろった組み合わせを指します。ご飯だけよりもご飯とおかずのそろった食事のほうが食後高血糖をおさえる効果があるといわれます。
②「糖質の多い食品をとり過ぎない」
糖質の多い食品は何なのか、日ごろからわかるようにするとよいです。菓子類は糖質を多く含むほか、主食であるご飯、パン、麺類、バナナなどの果物、芋類、金時豆などの大豆以外の豆、南瓜は野菜ですが糖質を多く含みます。また、五目御飯にうどんを組み合わせるような主食の重ね食べ、ご飯に芋料理を加えることも食べる量に注意が必要です。
③「食物繊維の多い食事を多くとる」
大麦、雑穀など食物繊維の多い食品を主食としてとったり、野菜、きのこ、海藻類を多くとります。食物繊維は糖の吸収を遅くする働きがあり、食後高血糖をおさえる効果があるといわれます。
④「グリセミックインデックス (GI・食後血糖上昇指数)の低い食品を選択する」
GIが60未満の食品がよいといわれています。牛乳、ピーナツ、果物は低い数値であるため、食事や間食として利用するとよいです。
⑤「食べ方の順番に気をつける」
野菜料理→肉、魚介、卵、大豆とその製品→主食(ご飯、麺類等)の順にゆっくりとると、食べすぎ防止、食後高血糖おさえる効果があります。
⑥「セカンドミール効果を利用する」
1日のうちで最初にとった食事が次の食後血糖値に影響があるといわれます。朝食において上記内容を踏まえた食事をとると、昼食においても食後高血糖をおさえる効果が期待できるといわれます。
⑦「たべ過ぎない、腹八分目」
食品の選択や食べ方に気をつけても、食べ過ぎたら高血糖や肥満になりやすいです。
日々の積み重ねが、病気予防や進展予防につながります。いつまでも元気ではつらつとすごすことができるよう、できることから始めましょう。