睡眠時無呼吸検査・治療を体験しよう
今回も臨床検査課が行う講義内容は血液や血糖測定器に関する説明がほとんどでしたが、本年度当院で導入した「睡眠時無呼吸検査」の測定装置や治療機器について実際の測定・治療機器を使用して説明しました。
「睡眠時無呼吸症候群とは」
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
寝ている間の無呼吸に私たちはなかなか気付くことができないために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されています。
この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起きているときの私たちの活動に様々な影響を及ぼすこと。気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。
「検査について」
まずは問診から
ここで重要なのは、起きている間の自覚症状や生活状況について医師に伝えること。昼間の眠気の自覚のほか、既往歴や体調変化、SASに特徴的ないびきの有無などの情報が診療に役立ちます。
自宅や医療機関で睡眠中の状態を「検査」
問診の結果SASの可能性が疑われる場合には、具体的な検査へと進みます。専門施設で入院検査をする場合もありますが、自宅で普段通りに寝ながらできる検査から始めるケースがほとんどです。仕事や日常生活に支障を来たさずに検査を受けることができます。
■ 簡易検査
検査外来費用:2,500円前後
測定方法 :宅急便で自宅に測定器が来て、本人自身で装着します
結果報告 :2週間
申し込みして4~5日で測定器が宅急便で自宅に届きます。説明書の内容を確認しながら自分でセンサーの装着・測定器での検査を行います。1回目の検査で不都合があれば2回目も消耗品が準備されていますので2回検査が可能です。測定が終了したら同封の宅急便(無料)に連絡して測定器を回収して下さい。
自宅で手軽にいびきや呼吸をチェック
自宅でも取扱い可能な検査機器を使って、普段と同じように寝ている間にできる検査です。手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態から睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を調べます。自宅でもできる検査なので、普段と変わらず仕事や日常生活をそれほど心配せずに検査することができます。
多くの場合はまずこの簡易検査から行ないます。
主に酸素飽和度を調べる検査(パルスオキシメトリー)と、気流やいびき音から気道の狭窄や呼吸状態を調べる検査とがあります。検査の内容によって費用も異なるので、詳しくは当院受付までご相談下さい。
「簡易検査の結果でより詳しい確定診断が必要とされた場合」
■ 簡易検査
検査入院費用:4万円前後
検査日 :水・木曜日の夜
結果報告 :2週間
お風呂・夕食を済ませて午後6時前後に来院して頂きます。外来で入院説明して頂き、個室に入院します。
午後7時前後に担当技師が測定器を装着します。おでこ・あご・指にセンサーを装着。胸・腹にもバンドで呼吸センサーを装着し測定機器にケーブル接続します。翌日朝6時に測定器を抜去します。朝食希望の方(有料)は7時30分前後に食事して退院して頂きます。
「検査と治療にかかる費用」
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療には、健康保険が適用されます。
治療については、もっとも普及している「CPAP治療」で、保険適応で月額5,000円程度です。
「治療について」CPAP療法
CPAP療法の原理は、寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておくというもの。CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。
当院は「簡易検査」「精密検査」の両方検査可能な施設であり、価格も他の病院よりも安価で設定してあります。測定機器も新型を使用しており、患者さまの負担軽減をしています。気になられている方は一度当院の内科外来(呼吸器)を受診されることをお勧めします。