学んでみよう!糖尿病の検査 血糖トレンド(傾向)について
前半は糖尿病の検査項目の血糖・尿糖・HbA1c・15AG・グリコアルブミン等の検査項目について動画にて説明をしました。
後半は血糖値のトレンド(傾向)についての動画説明と、14日間持続自己血糖測定器「Free Styleリブレ」について実物を見ながら説明しました。
血糖トレンド(傾向)とは?
「点」から「線」の重要性
従来のSMBG測定は、いわば「点」での測定値でした。1日数回の血糖値のみでは情報量の偏りや不足、夜間の血糖管理の難しさなど問題がありました。
そこで注目されているのが、睡眠時を含めた連続測定により、「線」のデータをとる方法。血糖値傾向(トレンド)を知ることで、治療の最適化を目指し、合併症の発症や進展の抑制にもつながる可能性があります。
FGMとは (Flash Glucose Monitoring)
採血をすることなく、皮下の血管と細胞の間を満たしている間質液という液体の血糖値を、体につけた小型のセンサーにより連続して測定する方法 のことをいいます。
FGMによる測定は、良質な血糖コントロールを保つことが難しい人に有用ですが、特に、「針を刺して指から 血を採るのが苦痛で続けることが難しかった」「人目が気になって血糖自己測定の実施が困難だった」などの理由で、 いままで別の血糖測定ではうまくいかなかった人に向いています。
センサーは防水加工されているため、装着したままの入浴や、水泳などをすることが可能で、患者さんのライフスタ イルを妨げることが少なくなりました。
また、1つのセンサーで最長14日間測定をセンサーでスキャンすることにより今まで気づきづらかった夜間の低血糖や、 食後高血糖をも捉えることができます。これらのデータを治療に活かすことで、血糖コントロールのさらなる向上に 役立つことが期待されます。
FGM機器 Free Styleリブレ
FGMのメリットは
- 指先穿刺が不要
- 最長14日間の血糖値を連続して記録できる
- SMBG(Self Monitoring of Blood Glucose)とは異なり、連続測定するため、血糖値をグラフで示すことが出来る
- 血糖値スパイクや夜間低血糖に気づく手助けになる
- 実測血糖値と機器による計測値を比較・補正する操作が不要
FGMのデメリット
- 測定値が急激に変化している場合、低血糖または低血糖の可能性が表示された場合、また測定値と症状が一致していない場合には、血糖測定機能を用いて指先の血液での測定が必要
血糖自己測定を活用して、良質な血糖コントロールを
血糖自己測定は、診察室だけではなく、患者さん自身の日常生活におけるさまざまなシーンで血糖がどのように変化しているのかを正しく知って、適切に対応し、血糖コントロールを良好に保つために行います。
FGM、SMBGで測定して得たデータは、合併症の予防や抑制、また低血糖やシックデイの対処のためにも役立ちます。
日常生活の質を良好に維持するために大きな助けとなる血糖自己測定を活用し、日々の血糖コントロールを適正に保っていきましょう。