低温やけど予防
今年は暖かい日が続きましたが、12月に入り、寒さが身にしみるようになってきました。寒くなるにつれ、こたつや使い捨てカイロで暖を取る機会が増えてきます。ここで注意したいのが、暖房器具による低温やけどです。自分でも気づかないうちにおこってしまう「低温やけど」について、紹介したいと思います。
低温やけどについて
温かくて気持ちがいい程度の温度でも「やけど」は起こります。
「やけど」というと、熱湯や火などによって皮膚が傷つくことを連想しますが、普段私達が触って気持ちのいいと感じる程度の温度(40-60度)でも「やけど」は起こります。
そのようなやけどを「低温やけど」と言い、通常のやけどよりも傷が深い事が多く、治りにくいのが特徴です。
糖尿病患者さんは「低温やけど」を起こしやすく、傷もなおりにくい。
糖尿病患者さんの場合、神経障害が進行すると皮膚の温度に対する感覚が鈍るため、暖房器具を高めに設定したり、必要以上長時間にわたって使用してしまったりなど、糖尿病でない人と比べて低温やけどをおこしやすいと言われています。そして一旦低温やけどが起こってしまうと、足の血の巡りに問題がある患者さんの場合、傷が治るまでに時間がかかります。
使い捨てカイロ、電気あんか、こたつ、湯たんぽに注意しましょう。
低温やけどの主な原因は、使い捨てカイロ、電気あんか、こたつ、湯たんぽ等があります。
暖房器具をつかいながら眠ることは厳禁です。
低い温度でも皮膚に直接あたる時間が長ければ長いほど、低温やけどは起こりやすくなります。熱くないからと油断しても、体温よりもほんの少し高い程度(42度)で、長時間皮膚にあて続けるとやけどは起こります。眠っている間は感覚も鈍くなっており、長時間同じ姿勢を保つことが多い為、心地よいと思って使っている暖房器具でも睡眠中に使ったり、こたつでうっかりうたた寝をしたりした時等に起こります。
低温やけどを予防するための注意点
使い捨てカイロは必ず衣類の上に貼り、同じ場所に長時間はらないようにしましょう。
暖房具をつけたまま寝ないようにしましょう。
電気毛布やあんかを使う場合は、寝る前に布団を温め、布団に入った時点では電源をきるようにしましょう。
足が冷たくて眠れないとき
布団を前もって温めておき、入る時に電源をきりましょう。
電気毛布や電気あんかなどお持ちの方は、寝る30分前から布団を温めておきましょう。
布団に入る前には必ず電源をきりましょう。
寝る直前にお風呂にはいりましょう。
せっかく温まった足もお風呂から上がるとどんどん冷たくなってきます。お風呂が難しいようでしたら、足だけでもぬるま湯に浸けましょう。
靴下や温かさを保つ履物を履きましょう。
お風呂から上がったら、靴下や室内履きを必ず履いて、足先が冷えないようにしましょう。
足の運動をしましょう。
足が冷たいと感じたら、足の指でグー、チョキ、パーと30回ほどテレビを見ながらやってみましょう。
足のマッサージをしましょう。
足の裏全体を両手の親指で優しくさすってみましょう。足の指の根本を一本ずつつまんで、指先の方まださすってみましょう。
これからが冬本番になります。低温やけどに気を付けながら暖かくしてお過ごしください。