食後高血糖対策~食事編~
食後高血糖とは、食べ始めた時間から2時間後の血糖値を示し、140mg/dl以上の高い値が継続することです。食後高血糖が続くことにより動脈硬化の危険因子となる事から、その対策について栄養士がお話をさせて頂きました。
朝食を抜かない
日本人のインスリン分泌予備能力は欧米よりも約半分と少ない為、朝食を抜くと食後の血糖値は3食食べている人よりも上がりやすく、血糖値の乱高下が起きてしまいます。朝食摂取がインスリン分泌のウオーミングアップになるので朝ごはんは大事です。
又、遊離脂肪酸は、内臓脂肪組織から血液に放出されて体を動かすエネルギーとなりますが、多くなると肝臓・筋肉内でインスリン作用を阻害し血糖値が上昇・体脂肪増となりやすいです。朝食を摂らないと血中遊離脂肪酸は高値のままで、高遊離脂肪酸血症によるインスリン抵抗性の増大・インスリン分泌不足を起し、昼夕食後の血糖値も増大してしまいます。朝食を摂る事で、血中の遊離脂肪酸が減り、昼・夕食後の血糖上昇が軽減します。
食事の時間についての工夫
仕事などで夕食が遅くなる場合は、一度に食べることにより急激に血糖上昇が起こります、そこで3食から4分食にする事をお勧めします。4分食とは、夕方に主食と野菜を食べ、帰宅後の遅い時間に軽めのおかずと野菜をとる事です。食事時間の間隔を短くする事で食後血糖上昇が軽減できます。夕食はできるだけ早めに摂り、就寝までの時間をなるべく空けるようにしてみましょう。(一般的には就寝3時間前は食べないようにするといいと言われています)
炭水化物の組み合わせ
ラーメン・おにぎり/うどん・かやくご飯/やきそば・おにぎり/サンドイッチ・おにぎり/そば・ごはん/そうめん・ごはん/チャーハン・餃子 などの炭水化物の組み合わせは血糖値が上昇しやすいため注意しましょう。
食物繊維を摂ろう
食物繊維とは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つがあります。
水溶性食物繊維は、根菜類・きのこ・海藻サラダ・納豆・こんにゃく・豆などに多く、食べると胃腸内をゆっくり移動、小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える効果・血中コレステロール値低下・高血圧予防にもなります。
不溶性食物繊維は、大豆・ごぼう・ふすま・ココア・きのこ・甲殻の殻などに多く、食べると便のかさを増やし、腸の働きを刺激・善玉菌の餌・菌を増やしておなかの調子を整えます。
主食の白米を玄米入りごはんや大麦にする。パンは全粒粉パンやライ麦パンにしましょう。
食べる順番を考える
野菜から食べる事を意識しましょう。食べる順を野菜→おかず(肉や魚など)→主食にすることで、野菜に含まれる食物繊維(主に水溶性食物繊維)が、糖質の吸収を遅らせます。野菜から食べることで胃が膨らみ満腹感、少量でも満足できる効果もあります。
高齢の方は肉や魚→野菜→米飯の順に食べると、インクレチン(インスリン分泌を促すホルモン)が分泌され血糖値上昇を抑え、筋肉の維持にもつながります。
アルコール
ビール・日本酒などは血糖値を上げやすく、焼酎・ウイスキー・糖質0・低糖質のお酒は血糖値に直接及ぼす影響は低いといわれていますが、過度に摂取すれば、肝臓・膵臓など体の様々な部位に害なので注意は必要です。
コーンバター・フライドポテト・揚げ物など高エネルギー高脂肪のおつまみなどは、どの種類の酒を飲んでも血糖値に大きな影響が出ます。
季節に応じた旬の食材を味わおう
多く収穫ができ、比較的安価で栄養価が高く新鮮な事、体のバランスを整え、免疫力や抵抗力をつけてくれます。
よく噛んで食べる
口に入れたら、30回噛みましょう、食材本来の味を感じ、顎を動かす事で骨・筋肉が動き、血流増加と脳に酸素と栄養が送られます。反射神経・記憶力・集中力・判断力が良くなり、インスリン分泌を促進します。(朝の咀嚼を更に増やすと、インスリン初期分泌能が上昇します)
良質な睡眠を取る
睡眠不足は、インスリンの働きを妨げるコルチゾル(ストレスホルモン)が上昇、インスリン抵抗性が高まるため食後高血糖が上昇します。
運動をする
ブドウ糖のとりこみを促進し、食後高血糖を抑えるには効果的です。食後にウオーキングや、30分に1度は席を立ち、身体を動かしてみましょう。
今一度、食事生活を改めて振り返り、血糖値改善のためにできることからはじめてみましょう!