人工呼吸器について
呼吸とは『生きる≒息する』ことである。
私たち生物が生命を維持するために必要不可欠な酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出す。
単純な動作の繰り返しに見える呼吸ですが、血液中の酸素の量や、二酸化炭素の量を一定に保ち続けたり、あるいは身体の活動に応じて酸素の取り込みを増やしたりと、必要に応じた調節がなされています。
しかし、なんらかの障害によって血液中の酸素の量が60mmhg以下になった場合、その患者さんの呼吸の補助を行い、あるいは呼吸そのものが停止している患者さんに対して完全に代行するために用いられる機器を人工呼吸器と呼びます。
成人正常値
適応となる病態
適応となる疾患は様々であり、後述のNPPVなども含めると、更に拡大していく傾向にあります。以下に一般的な病態を示します。
- 呼吸不全(肺炎、喘息、COPD等)
- 循環障害(うっ血性心不全、心筋梗塞等)
- 意識障害(気道確保のため)
- 手術後
- 胸部外傷
- その他の重症疾患
人工呼吸器開始基準
人工呼吸器の種類
救急医療の現場で緊急的に用いられるものから、急性の障害、または慢性的な障害に対して用いられるものと様々な種類があります。
- バッグバルブマスク
医療現場では『アンビューバッグ』の通称で知られています。心肺停止や意識喪失等による自発呼吸ができない場合など、主に救急医療で用いられています。
- ニューポートベンチレータ―モデルe360
当院で使われている人工呼吸器。患者さんの病態に合わせて様々なモードに対応できます。
- V60
NPPV対応人工呼吸器。
NPPV (Noninvasive Positive Pressure Ventilation:非侵襲的陽圧換気) は、侵襲的気道 確保(気管挿管)なしに行う人工呼吸法で、患者さんとの接続にはマスクが使われます。