MRIとは
MRIは、Magnetic Resonanse Imaging(磁気共鳴画像)の略であり、MRI検査は、強い磁石と電波を使い体内の状態を断面像として描写する検査です。
体内の水素原子が持つ弱い磁気を、強力な磁場でゆさぶり、原子の状態を画像にします。検査は、患者さんにはベッドに仰向けに寝ていただいた状態(例外あり)で、磁石の埋め込まれた大きなトンネルの中に入ってもらい、 FMラジオに用いられる電波を身体に当てることによって、体の中から放出される信号を受け取りコンピューターで計算することで、体内の様子を画像として表します。
多くの病巣を発見することができますが、特に脳や子宮、卵巣、前立腺等の下腹部、脊椎、四肢などの病巣に関しては、圧倒的な検査能力を持っています。
- 利点
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- 放射線による被曝がない。
- あらゆる方向の断層像が撮影できる。
- 組織間のコントラストが高く、病変の検出に優れている。
- 欠点
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- 検査時間が長い。(20分~1時間ほどかかります。)
- 検査中は動いてはいけない。
- 狭いトンネルの中に入りますので、圧迫感があります。
- 大きな音がします。
- 下記の方は検査が出来ないことがあります。
- 心臓ペースメーカーや刺激電極等を身につけている方
- 体内に脳動脈クリップや人工関節等の金属が埋め込まれている方
- 以前に外科手術を受けたことがある方
- 妊娠、または妊娠されている可能性のある方
- 閉所恐怖症など、狭いところが苦手な方
- 小児など、検査中動いてしまう方 など
- 有効な疾患例
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脳神経外科、
神経内科 領域脳梗塞、脳腫瘍、脳血管性疾患、脳奇形、変性疾患、外傷 等 整形外科 領域 頸椎症、頸椎・胸椎・腰椎のヘルニア、脊髄腫瘍、脊髄奇形、骨軟部腫瘍、関節の靱帯損傷、半月板損傷 等 消化器内科、
循環器内科、
外科 領域肝臓・胆のう・膵臓の腫瘍性病変、胆道・膵管の検査、主要血管の異常
乳房の腫瘍性病変、四肢の血管の異常 等婦人科 領域 乳房・子宮・卵巣の腫瘍性病変や異常 等 泌尿器科 領域 腎臓・膀胱・尿管・前立腺の病変や異常 等 耳鼻咽喉科 領域 内耳・咽頭・喉頭の腫瘍病変や異常 等 眼科 領域 眼窩や眼球内部の腫瘍 等
- MRI画像の一例
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頭部MRI
頭部MRA
頚部MRA
脊椎
(腰椎)
脊椎
(腰椎神経根)
腹部
腹部(MRCP)
前立腺
子宮、卵巣
下肢MRA
乳房
造影MRI
検査目的によってはMRI用の造影剤の静脈内への投与が必要になる場合があります。
- 造影剤を注射する理由
造影剤はを静脈内への投与することにより、病気の検出や、病気の性質をより詳しく診断したりするために使われます。
病気や検査部位によっては、より正確な診断を行うために造影剤が必要です。
- 主な副作用
造影剤を注入すると体が熱く感じることがあります。
勢いよく造影剤を注入するために、血管外に造影剤が漏れ、漏れた部位が腫れて痛みが持続することもあります。 (普通は自然に吸収されるので心配ありませんが、漏れた量が非常に多い場合には、別に処置が必要になることもあります。)
- 軽い副作用(起こる確率は約2%程度)
- 呼吸困難、血圧低下、意識障害など。
- 重い副作用(非常にまれ)
- じんましん・発赤・下痢・悪心・頭痛・気分不快感など。
●下記の方は、特に注意が必要なため、必ず担当医にお知らせください。- 喘息などのアレルギー体質の方
- 造影剤の副作用を経験した方
- 心臓病、腎臓病、甲状腺機能亢進症の方
- 妊娠・授乳中の方