太りにくい食べ方のコツ
肥満のある糖尿病患者さんはそのままにしておくことは糖尿病を悪化させることに繋がります。体重を増加させないために以下の点に注意しましょう。
1日3食規則正しく食べる
朝食を抜く、夜中に食事をするなどの不規則な食事の習慣は生体リズムを乱し、内臓脂肪蓄積の原因となります。
栄養バランスのよい食事をとる
主食(ご飯、パン、麺など炭水化物の多い食品)1杯
主菜(肉、魚、豆腐、卵などたんぱく室の多い食品)1皿
副菜(野菜、きのこ、海藻類などビタミン、ミネラル、食物繊維の多い食品)
2皿(合計片手1杯以上)
上記3種がそろった食事を毎食とりましょう。
<注意点>
様々な種類の食品をとるように心がけます。
肉は脂肪を多く含まない部位にします。
(例:鶏むねの皮なし、ささみ、豚肉や牛肉の場合はもも肉、ひれ肉など)
油を使った料理は「1食1皿」とします。
マヨネーズや揚げ物は、少量でも油を多く含む為、塩分の多い食事にならないように気を付けましょう。
ゆっくりよく噛んで食べる
食べ始めてから脳の満腹中枢が働くまでは約20分かかるため、よくかんでゆっくり食べると食べ過ぎを防ぐことができます。
急激な血糖上昇や過剰なインスリン分泌を抑えることができ、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
食べる順番は米より野菜・魚・肉の順に
ご飯などの炭水化物を多く含む食品をとる前に、まずは最初に食物繊維を多く含む野菜料理をとることで、消化管からの糖の吸収を抑制することができます。そのため食後高血糖や体重増加を是正することができます。また、炭水化物を多く含む食品よりも前にたんぱく質や脂質を多く含む食品をとることは、GLP-1と呼ばれる消化管ホルモンの分泌を促し、胃の働きを緩やかにすることで、食後高血糖を是正する事ができます。GLP-1には食欲を抑制する効果があるため、長期的には減量効果が期待できます。
夜食を食べない
夜遅い食事(21時以降)は、摂取したエネルギーが脂肪として蓄積されやすく、また、朝食を抜く原因となります。夕食は就寝2~3時間前に軽くとるとよいでしょう。夕食が21時以降になりやすい場合は、夕方に軽食をとるようにしましょう。(例:サンドイッチ、おにぎり、無糖ヨーグルト、チーズなど)夕食の食べすぎ防止につながります。
間食のとり過ぎに気を付ける
間食の摂取量が多いと体重が増えやすく、血糖コントロールが困難になりやすいです。
しかし、間食をすることで夕食の食べすぎを防ぐことができるので上手に間食を利用するとよいでしょう。
間食は「不足しがちな栄養をとる」と考えます。
果物は甘く、エネルギーが菓子類よりも少なく高血糖になりにくいものが多いです。しかし甘がき、バナナ、桃、ぶどうはショ糖を多く含むため食べ過ぎには注意します。
「果物は甘いから食べない。せんべいは甘くないから食べる」は間違いです。
量を決めて(1日80Kcal前後が理想)(糖質10gを目安にしてもよい)食べものを身の回りに置かないようにしましょう。
個包装を選びます。
脂肪合成に関係するBMAL1という体内物質が午後2時~3時ごろが最も少ないため、間食をする時間は午後3時ごろがよいでしょう。
アルコールは適量
飲みすぎは血糖コントロールを乱すので原則禁酒とします。
主治医からアルコール摂取の許可がでている場合、1日アルコール25g以下(日本酒1合、ビール中瓶1本500ml程度)とし、飲まない日を週2日以上とします。アルコールは中性脂肪を増やす作用があります。から揚げ、ソーセージなど脂質やたんぱく質が多いつまみを多く取りやすいため、高エネルギー食となりやすく、そのために内臓脂肪を増やす原因となるのです。
減量により、インスリン抵抗性が改善され血糖コントロールが良好になる可能性も少なくありません。肥満症の方は、太らないよう食生活を見直してみましょう。
当院栄養課では、個別の栄養指導を行っております。お気軽にご相談ください。